意外と知らない「水の種類」!水道水やミネラルウォーターの違いは?

2021年3月10日
Twitter
Facebook
Line
家庭でも手軽においしい水が飲めるいま、ウォーターサーバーの水もメーカーによって多種多様。「水の種類?」「ミネラルウォーターってよく聞くけど実際何?」と意外と知らない水の種類をくわしく解説します。

監修

山中亜希
山中亜希 (アクアソムリエ)

2004年、ミネラルウォーター専門店「AQUA STORE」の立ち上げと同時にイタリアにてアクアソムリエの資格を取得。2008年より、アクアソムリエを養成するミネラルウォーターの専門スクール「AQUADEMIA」を開校、校長に就任するとともに、「AQUA STORE」のディレクターとしても活動。

ミネラルウォーターの正しい知識・情報の普及のために、セミナーや講演、企業へのコンサルティング業務などを行っており、海外からもセミナーの講師として招聘されている。

意外と知らない「水の種類」

「水」といっても、さまざまな種類があります。以下では、よく耳にするものを中心に、それぞれの特徴や定義について紹介します。

水道水

水道水とは、水道に供給される飲用可能な水のことです。ダムや河川などの水を浄水場できれいにしたうえで、必ず塩素消毒をして、各家庭へ供給されます。厚生労働省が定めた基準のもと、大腸菌などの細菌や有機物が基準値以上含まれないようにきちんと管理されているので、日本の水道水は安心して飲むことができます。

しかし、その味や清浄度は水道管や建物内の配管の状態に左右されることがあります。基準を満たした水でも、水道管の劣化などが原因でサビや汚れが混入してしまう場合もあるため、自宅の水道の蛇口から出る水の状態が気になる人は、水道管の点検を行うと同時に、浄水器などを利用することをおすすめします。

ミネラルウォーター

ミネラルウォーターは、一般的にマグネシウムやカルシウムなどのミネラルが含まれている水の総称として使われています。水道水がダムや河川などの地表水を主に原水としているのに対し、ミネラルウォーターは自然のミネラルが溶け込んだ地下水を原水としています。

天然水

天然水は、ミネラルウォーターの中でも、特定水源の地下水を原水として、沈殿・ろ過・加熱殺菌以外の処理を行わない水のことを指します。たとえば、ミネラルの添加や複数の採水地の水をブレンドした水は、ミネラルウォーターではありますが、天然水とは呼べません。

RO水

RO(アールオー)水とは、ROフィルターを通してろ過した水のことです。ROフィルターは、水分子以外の不純物をほぼ除去できる超微細フィルターで、ろ過膜の穴は非常に小さいのが特徴です。

水以外の物質を最大99%除去することが可能で、ミネラルをはじめ、ほとんどの不純物が除去されます。ミネラルまで取り除かれたRO水(ピュアウォーターとも呼ばれます)は、無味無臭で、天然水と比べると味気なく感じる人もいるかもしれません。

たとえばアクアクララやクリクラなどのウォーターサーバーでは、RO水にミネラルを加えて飲みやすくしています。

天然水とRO水の違い

海洋深層水

海洋深層水とは、水深200mより深いところにある海水から採水した水です。太陽光が届かない深海では光合成がほとんど行われないため、光合成で使われる栄養素(窒素、リン、ケイ素など)が水に残ったままとなります。

しかし、市販されている海洋深層水の多くは脱塩処理のためにROフィルターでろ過されます。ミネラルも取り除かれてしまうため、あとからミネラルを添加するなどの処理がされていて、ミネラルの含有量や海洋深層水が実際に利用されている量については商品によってばらつきがあります。

炭酸水

炭酸水とは、炭酸ガス(二酸化炭素)を含んだ水を指し、ソーダ水と言われることもあります。炭酸には「天然」と「人工」があり、天然炭酸水はもともと二酸化炭素を多く含んでいるため、加工を加えなくても発泡しています。日本の炭酸水は、炭酸ガスを圧入した人工炭酸水が主流です。

精製水

精製水とは、ろ過や蒸留、イオン交換などにより、ミネラルや雑菌などの不純物を取り除いた水のことです。精製の度合いはさまざまですが、一般的に不純物を含まないため、化粧品や薬品などに多く使用されます。

また、ミネラルの含まれていない水は水垢や機械故障の原因にもなりにくいため、精密機械の利用にも適しています。身近なところでは、エステサロンのスチーマーなどに使用されることが多く、一般的には飲料水としては使用されません。

水に含まれる「ミネラル」とは?

「ミネラルってよく聞くけど一体なに?」という人も多いのではないでしょうか。ミネラルは体の機能維持に欠かせない栄養素。体内で生成できないため、食べ物や水からミネラルを補給する必要があります。

ミネラルは水の味を左右する要素でもあります。たとえば、マグネシウムを他のミネラルよりもかなり多く含む水は苦味や渋みを感じるなど、ミネラルの含まれる量やバランスによって、口当たりや味わいが変化します。

日本の水は軟水がほとんどで、ミネラルの含有量が少なく、多くの日本人は、やわらかい口当たりで飲みやすいと感じます。一方、ミネラルを多く含む硬水は、口当たりに癖があり、飲みづらいと感じる人が多いです。このように、水の味にはミネラルが大きく関わっているのです。

ミネラルウォーターの種類

ミネラルウォーターにはさまざまな種類があります。続いては、農林水産省が定める「ミネラルウォーター類の品質表示ガイドライン」をもとにミネラルウォーターの種類について解説します。

ナチュラルウォーター

ナチュラルウォーターは特定の水源から採水された地下水を原水としていて、ろ過・沈殿・加熱殺菌以外の処理は一切行われていません。

地層に含まれるミネラルをまったく含まないわけではありませんが、ナチュラルミネラルウォーターよりも少ないことが特徴です。

ナチュラルミネラルウォーター

ナチュラルミネラルウォーターは、ナチュラルウォーターのうち岩石や地層からミネラルが少し多く溶解した地下水を原水としたもの。同じように、ろ過・沈殿・加熱殺菌以外の処理は一切行われていません。現在スーパーやコンビニなどで販売されているミネラルウォーターのほとんどが、「ナチュラルミネラルウォーター」と表記されています。

「天然水」と呼べるのはナチュラルウォーターとナチュラルミネラルウォーターのみ。ウォーターサーバーメーカーの「プレミアムウォーター」や「うるのん」などの天然水はナチュラルミネラルウォーターに分類されます。

ミネラルウォーター

ミネラルウォーターはナチュラルミネラルウォーターを原水とし、ミネラルの調整や曝気(ばっき。空気を溶け込ませること)などの処理を行った水です。異なる水源のナチュラルミネラルウォーターを混合させている水や、紫外線殺菌、オゾン殺菌などを行った水もミネラルウォーターとして表示されます。一般的には、ミネラル分を含んでいる水の総称としても使われます。

ボトルドウォーター

ボトルドウォーターは、ナチュラルウォーター・ナチュラルミネラルウォーター・ミネラルウォーター以外の水です。原水が地下水以外のものはすべてボトルドウォーターになります。水道法の基準に基づいて適合すると見なされていれば、採水地や製造方法などの基準は定められていません。海洋深層水や、ボトルに入れて販売されている水道水は、ボトルドウォーターと表示されます。

味や口当たりに関わる「水の硬度」とは?

毎日飲むお水の味やおいしさには、硬度が大きく関わっています。水の「硬度」とは、水1リットルに含まれているカルシウムとマグネシウムの数値を元に下記の計算式に当てはめて表したものです。

【硬度の計算式】

硬度=(カルシウム量x2.5)+(マグネシウム量x4.1)

(例)カルシウムが20mg/L、マグネシウムが5mg/Lの水の場合 (20mg/L×2.5)+(5mg/L×4.1)=70.5mg/Lが硬度になります。

数値が高いものほど硬水となり、国などにより基準は異なりますが、WHO基準では「硬度60mg/L未満」を軟水としています。

口当たりがよく飲みやすい「軟水」

日本では、一般的に硬度100mg/L未満の水を「軟水」とすることが多いです。軟水は口当たりがよく飲みやすいとされており、際立った特徴や癖がないため、どんな料理や飲み物にも使うことができます。

一方、硬水はミネラルを多く含むため、消化器官が未熟な赤ちゃんには負担になってしまうことも。そのため、赤ちゃんのミルクや離乳食作りにも軟水が推奨されています。また、硬水はせっけんやシャンプーが泡立ちにくいので、洗顔や洗髪などにも軟水が適しています。

しかし、ミネラルの含有量が少ないため、水分補給でのミネラル摂取はあまり期待できません

マグネシウムとカルシウムが豊富な「硬水」

硬水は、硬度が100mg/L以上でマグネシウムとカルシウムが多く含まれている水です。そのため、栄養素であるミネラルを水から摂取できます。カロリーゼロでミネラルを補給できるため、美容や健康のために意識的に飲む人も少なくありません。

たとえば、マグネシウムが多く含まれる水は、腸に水分を集める働きがあり、便秘改善の効果が期待できます。

料理では、肉のアクが出やすくなるので、お肉を使った煮込み料理などに使えば、硬水の特徴を活かすことができます。

ただし、硬水は重い口当たりで飲みづらいと感じる人が多く、体質によっては、腸への刺激が強く、お腹がゆるくなってしまう可能性もあります。

ウォーターサーバーで水を選ぶときのポイント

ここまで種類豊富な水の特徴について確認してきましたが、「ウォーターサーバーにはどの水を選ぶべきか?」と悩む人も多いのではないでしょうか。

ウォーターサーバーの水の場合、飲みやすく口当たりのよい天然水かRO水が一般的です。

天然水は、特定の水源から採水した地下水を原水とする水。自然のミネラルを含み、水本来のおいしさを感じられます。日本のウォーターサーバーの天然水はほぼ軟水ですが、採水地によってミネラルの量やバランスが異なります。それによって口当たりや味が変わるため、選ぶときには水の硬度や、ミネラルの量などを確認してみるといいかもしれません。

一方、RO水は水道水などを「RO膜」と呼ばれるフィルターでろ過した水のことです。天然水と比べてリーズナブルであることが多いです。不純物を徹底的に取り除いており、赤ちゃんのミルク作りや離乳食にも安心して使えます。RO膜でろ過したそのままのRO水と、それにミネラルを添加した水があります。

ウォーターサーバーは飲用水としてはもちろん、日々の調理でも使用することが考えられます。実際に味やコスト面などを比較検討し、自分に合うものを選んでみてください

意外と知らない「水の種類」のまとめ

  • 水1リットルあたりのカルシウムとマグネシウムの含有量を表す数値が「硬度」で、低いものが軟水、高いものが硬水となる
  • 日本の天然水の多くは軟水で口当たりがよく飲みやすい、その一方で硬水は口当たりが重いがミネラルが豊富なのが特徴
  • ウォーターサーバーを契約する場合には水の種類や特徴を理解した上で、自分に合ったものを選ぶのがよい

※この記事は2020年11月時点の各社公式発表情報を元に作成しています。商品や金額が異なっている場合もございますのでご了承ください。